August 31, 2010
昨日はアカデミーヒルズで「成熟市場におけるブランド構築シリーズと銘打ってABC Cooking Studioの創業者である取締役の志村なるみさんのセミナーに参加してきました。
実は志村さんとは、3年前に当時経営大学院の課外活動で、一緒に本社にインタビューに行ったことを覚えていてくれました。
http://www.abc-cooking.co.jp/srv/company/
その時も「花嫁修業の一ツール」であった料理を「趣味」の領域へ変えたABC Cookingについてその思いをいろいろと語っていただき、志村さんの非常にピュアな気持ち、姿勢に共感したのですが、あれから3年、ABC Cookingはどう成長して行ったのかを確かめたかったのです。
設立は実は結構古く1985年で今年設立25年になります。当時はご出身の静岡の藤枝市で始めました。当時の料理教室は料理が出来る女性が更に上手になる教室がほとんどであり、初心者向けのものはなかったそうです。きっかけは最初調理器具の販売を始めたのですが、全く売れず、どうしたら器具を使ってもらえる様になるかと考えた答えが料理教室だったと。
ブレイクスルーは5年後の横浜元町出店でバブル崩壊前夜でしたが、「ケイコとマナブ」に小さい広告をいれたら1日500本電話がなったと(笑)
そして1999年の大宮ロフト店のガラス張りABCから快進撃が始まりました。現在では109店舗生徒数は22万人、1日1万人受講、平均年齢28歳、未婚62%。設立以降、1度も前年割れを起こしたことがないそうです。
今後の課題はやはり少子化と海外展開。
親子教室を行ったりしていますが、成果はこれからとか。
海外は韓国、上海がターゲットですがすでに台湾ではコピーが出ており、スピードを上げて展開しないイケないらしいと言っていました。
ということで、再開した志村さんは3年前よりももっと洗練され、いきいきとして仕事をされていました。
成功の秘訣はやはりブレないこと。
ABC Cookingが当初決めたコンセプト「世界に笑顔のある食卓を!」を変えないこと
だそうです。
「外の資本は入れない。やりにくくなるから」と言っていた志村さん、
講演後「ご無沙汰してます。その節はありがとうございました。」と
挨拶しに行ったら、「ファンドさん始めたのね!!」と苦笑い。
まあ、今後ともよろしくお願いいたしますww
August 29, 2010
August 22, 2010
本日の日経1面に日本のベンチャーが10社以上、新興国市場でのIPOを検討しているとの記事がありました。昨年の日本のIPOは19社であり、今年は若干増えそうな気もしますが、日本のマクロ環境、および人口減等の抱えている課題を考えれば多分もう以前のような200社に迫るような時代は来ないと思います。
で、ベンチャー企業も含めて日系企業も、これから経済成長率が高く、海外展開して売上を上げて以降とする発行体が海外でIPOしようと考えることは、自然だと思いますし、
そこは推奨したいと思います。
Excelに各取引所別の時価総額とその国の上場企業社数とその国から見た外資企業の上場社数を記載しておきました。
シンガポール証券取引所は取引所で取り扱っている発行体の時価総額200末で東証の1/10ですが、外資系企業が312社上場しており、東証は16社です。そういった意味では非常に外国企業誘致に熱心であると言えます。
ただ、新聞報道の通りシンガポールのSGXのカタリスト市場(日本で言えばマザーズの位置づけでしょうか?)は利益水準はないし、審査期間が短いから海外で上場したほうが良いと考えるのはちょっとどうなのかなと思いました。
例えば、シンガポールのカタリストはシンガポール人の取締役1名置かなければいけないとか、取引所が審査するわけでなく上場している間は上場審査の責任者であるスポンサー(主幹事証券)が必要であるとか、IFRS対応の英文開示が必要だとか、非常に細かいコストがかかるわけです。上場維持コストは日本と同じくらいかかるかもしれません。
一方でファイナンスでは6か月フルロックアップで経営陣で50%以上保有してないとダメだったり、そのへんの規則は日本より厳しいです。またIPOでMcap200億円程度ないと投資家がつかず、株価がロングテールみたいになるのは日本と同じですかね。
他の取引所も似たような感じですかね。
重要なのは日本も含めたどの国で上場することが発行体にとって一番いいかと言う事でしょうか?トップラインの依存度がシンガポールや香港や台湾で高い場合は、その国での上場を検討する価値は高いでしょう。やはり上場した国での投資家が一番株を買いやすいとは思いますから。売上が日本に大きく依存している場合は日本も含めた市場の検討が必要です。ましてや海外IPOを行う場合は日本で主幹事対応出来るところは限られます。
というのは、日系主幹事証券の場合は現地取引所会員になっていなければ、引受審査は出来ません。いずれにしろ主幹事の現地法人が行うことになります。ほぼ日本は関与しない。
ここまで書くと、やはり日本でIPOをした方が楽なのではないかと思うかもしれませんが、
今後の企業成長依存が海外である場合はやはり海外IPOを目指してみる価値はあると思います。そしてそれは我々のファンドのEXITの選択肢の一つでもあります。
August 18, 2010
軽く10分くらいでValuationしてみます。
8/7のプレスリリース記事によると、ホテルオークラはJALホテルズ株式の79.6%を約60億円程度で買収と記載されています。ですから、JALホテルズ全体の株式時価総額(Market Cap)は60億円÷0.796 = 約75..37億円ですね。
ちなみに両方とも非上場ですが、継続開示会社(有価証券報告書提出企業)で、JALホテルズは2009/3期 売上138億円、経常利益2億円です。 ホテルオークラは売上550億円、経常利益21億円です。
M&AはIPOとは違い、Valuationの尺度はEV/EBITDA倍率(EBITDAマルチプル)を使いますから、JALホテルズの借入金と減価償却費が必要なのですが、2009/3期 有利子負債(Debt)は20.66億円ですから、企業価値(EV)は79.37+20.66 = 約100億円になります。一方で減価償却は3億円、営業利益は来期の経常利益5億円を代用して、EBITDAは8億円とします。ですから、EBITDAマルチプルは100÷8 = 12.5倍です。通常のM&Aでは5倍から8倍なので、これだけ見ると高い気がしますがどうでしょうか?
上場ホテル・旅館11社の予想EBITDAマルチプルは14.9倍で、そのうち帝国ホテルは7.3倍、ロイヤルホテルは14.8倍。あとはリゾート系が多いのであまり参考にならないかもしれません。倍率だけ見るとビミョーです。但しホテルオークラは非上場なので一般株主にとやかく言われることもありません。今回全額借入調達らしいですが、オークラの営業キャッシュフローが毎年45億円程度で安定しており、投資キャッシュフローが30億円程度であることを勘案すれば、差分の15億円で4年で回収出来てしまいます。
これは想像なのですが、多分オークラの顧客層とJALホテルズの顧客層は違うと思われ、オークラからすれば、一気に海外店舗やJALカスタマーも取り入れることができ、相応の
規模拡大は見込めたのでしょうね。非上場同士だから出来た案件なのかもしれませんが、
また時々、「10分Valuation」やってみましょう。
反復することで、M&A、IPOのValuationの力がついて来ます。
細かい数値はプロに任せて、2,3のポイントの数値だけ押さえることで、そのDealの思惑が見えたりして、ファイナンスのセンスを磨くにはいい機会だと思います。
August 13, 2010
ただ、一方で昨年の6月にチャプター11の申請をした訳で、再上場まで1年ちょっとということなんですが、感覚的にはずいぶん早いなという気がします。上場規則云々ということでは無く、足許の業績が好調である理由が「サスティナブル」であることの見極めは出来ているのかと。
産業構造の変化に対応出来なかったGMが、大きく経営陣を入れ替えてカーライル手動の下、突貫工事的なスピードでV字回復させてきたのは認めますが、EV含めた勝ちパターンは出来ているのかということなんですが。もちろんそこを「サスティナブル」にする為に、IPOをするという理由でしょう。
リーマンショック以降、一進一退的な部分も多い各業界ですが、「スピード」と言うのは、いつの時代も価値があることだと思っています。
特に自分で経営を始めてみて、今更ながらに思います。
そんなことも思いGMのことについて書いてみましたが、まあ、再上場してもいいでしょう。あくまで株を買うのは各自の責任ですから(笑)